アニメ放映に合わせて再読中

 今秋のアニメはいくつかあるけど、その内川上稔の『境界線上のホライゾン』について。
 8話当たりは原作小説I〈下〉のまん中当たり。

 大体32章当たりまでだろうか。
 1クールで、Iの上下2冊分を納めると見たけど、原作小説を読むと尺の絡みだろうがかなり省略されているところもあるようだ。
 方や文学方や映像で文字を全て絵に起こすまでもないかもしれないが、映像から小説に振り返ればかなり判ることもある。
 逆に小説から映像を見れば、焚書のいくらかを映像に変えて、全体としてかなりテンポ良く見せているとも思う。
 小説からのアニメ化によっては、これは小説のダイジェストかと思えたり、同人誌のように換骨奪胎もやり過ぎで良く似た別の物かと思えるような物もあるが、これはどうして原作小説の方を向いていると思う。
 コミックからのアニメ化を含め、原作を緻密に踏襲しているとは言えなくてもアニメとしてそれなりの味を出している物もあるので、必ずしも原作を忠実にアニメ化するばかりだけがよいとまでは言えない。
 ひどいのは、原作をないがしろにしつつアニメとしても見ていられない物だろう。
 それらに比して、本作は原作を上手くトレースしつつアニメとしても良い出来に仕立てていると思う。
 アニメのディスクメディア化は、どうやらDVDの方は出なくてBDだけらしい。

 初回版には、原作小説家の書き下ろし小説も付くようだ。
 載せられた気がしないでもないが、検討してみようかと思う。